新米冒険者の受難

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「わかった」  ーーそう思っていたら、頭上から声が聞こえてきた。 「え?」  誰かいるなんて思っていなかった私はマヌケな声を出してしまう。  次の瞬間、魔猪の額に何者かが拳を叩き込んだ。 「ーーーーーーッ!?」  メキリという鈍い音が聞こえて、魔猪は怯んだようにその足を止めてたたらを踏んだ。 「流石に固いな」  緑のフードマントを着たその人は、着地するとマントから何かを取り出す。  何かを握り混んだ右手を振ると、先端に石が取り付けられた仕込み杖を構え、魔猪に飛びかかっていった。 「フッ!!」  杖を振りかぶると、先端の石が光を放ち、先端に魔力の刃が形成された。  刃の形から、それが手斧であるのに気が付いた時には、魔猪の額にその刃がめり込んでいた。 「ーーーーーーーッ!?」  魔猪は鉄よりも固いと言われる額を砕く一撃を受けて、絶叫と共に崩れ落ちた。
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