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ピクピクと痙攣した後に、魔猪は身体を闇の煙に変え、身体の中心に集まっていく。
モンスターは絶命するとその強さに応じた魔力を秘めた魔石に姿を変える。ほどなくして集まった煙は中心に闇を秘めた石となって地面に落ちた。
「まあ、こんなもんか」
「ーーーー」
言葉も出ない。
あんな強そうなモンスターをたった二撃で倒してしまった。それだけでもかなりの実力者であろうことは伺いしれた。
「ーーほれ」
フードの(多分)男は魔石を拾い上げると、私に投げ付けてきた。
「え、はわっ!?」
咄嗟に魔石を受けとる。
その姿を見た彼は、
「そいつの報酬をやるから、今起きたことをギルドに報告しに行ってくれ。俺は他にあのレベルのモンスターがいないか確認してくる」
それだけ言うと、魔猪が走ってきた方に迷い無く走っていった。
「あっ……」
呼び止める暇もなく去っていった彼に、私は呆然とする。
その場に立ち尽くしている訳にはいかない。もしあのモンスターが群れで動くタイプであれば、同程度の敵が周囲を徘徊しているかもしれないのだ。
魔石を握りしめて、私は街へと走り出した。
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