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黒いフードの男は、受付嬢に尋ねる。
「あっ!?」
フェルは声をあげる。
その男は先程自分を助けてくれたフードの男だったからだ。
「この人です受付さん!? さっきとフードの色は違いますけど、間違いありません!!」
「ーーああ、さっきの子か」
男はフェルを確認すると、何かを察したように受付嬢を見て。
「すまない、さっきの件の報告中だったようだな。また後で来る」
そういって身を翻して立ち去ろうとしてーー
「いやいや、ちょっと待って!!」
フェルが男のマントを掴んだ。
聞きたいことは色々あったし、褒賞金の件でも用事があったので、咄嗟に呼び止めたのだ。
その結果、男のマントに繋がっているフードがズレて、顔が露になる。
「「あっ」」
男とフェルの言葉がハモる。
男は普通の顔立ちをしていた。
整ってはいるが、目の覚めるようなイケメンというほどではない色白の顔に、短く揃えられた短髪。
何処にでもいる普通の人間。それが男の印象だった。
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