20人が本棚に入れています
本棚に追加
そして。
僕の存在は、揺らぎ始める。
僕という猫の、いや、猫だったかもしれないものの存在は、非常に不確かなものとなっていく。
僕は、だんだんと、失われていく。
消えていく。
笑いながら消えていく、あのチェシャ猫のように。
消滅へと向かう僕の前に、あの小さな世界の王、最も高貴なオタマジャクシである『永遠の子』が現れる。
『永遠の子』は、僕に言った。
「消えゆく者よ。お前の魂の形は、この私が確かに、確定した。心穏やかに消えていくがいい。何故なら、お前の魂は、永遠に私と共にあるのだから」
最初のコメントを投稿しよう!