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真奈美と友理奈より一年勤務歴が短いながらも 仕事一筋生きる梨恵(りえ)の言葉はズシッと お腹を突いた正拳突きの様な重さがある。 それは出世街道から外れた女子社員を 会社のお荷物だと言って突き放す様な 冷たさを秘めた強烈な一撃だ。 真奈美達が働くフロアには社員が休憩する スペースが二つある。 1つはエレベーター前の自動販売機近くに 設置されている休憩用テーブル。 そこは主に男性社員の縄張(なわば)りだ。 そしてもう1つは階段近くにある給湯室。 ここは女子社員の縄張りであり 休み時間になると彼女達が (おのれ)のプライドを掛けてマウントを取り合う いわば女子同士の闘技場(コロッセオ)である。 この言葉の格闘技に勝利する事で 彼女達は『自分が他の女子より幸せだ』という 優越感を手にする事ができる。 その自己満足のチャンピオンの座をかけた 熾烈な王座の取り合いが繰り広げられている
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