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そんな女子社員達の中でも友理奈と梨恵の 闘いは熾烈を極めていた。 自分第一主義(自分ファースト)を掲げる友理奈。 彼女の座右(ざゆう)(めい)は『自分がまず幸せにならないと周りの人を幸せに出来ない』である。 プライベートを優先して基本仕事は定時帰り 面倒な人間関係は切り捨て ブランドファッションとインスタを こよなく愛す今時の20代OL代表である。 唯一の悩みは恋愛が長続きしない事ではあるが むしろ相手に対して妥協しない自分の 恋愛スタイルを誇りに思っている。 それに対してスピード離婚の経験から 恋愛はしないと割り切り 男性には頼らず仕事に全力投球する梨恵。 社内で女性初の係長に登り詰めた彼女は 自分の生きる道を自分自身で切り開く 新時代の女性風雲児である。 その場の空気を壊さぬ様に笑顔は絶やさず 和やかな雰囲気を保ちつつも 相手が嫌がる事を絶妙に察知して(はち)の様に刺す それが女子同士のマウントというものだ。 熾烈を闘いの中で自称『最弱の戦士(ウォーリア)』である 真奈美は常に言葉の殴られ役となり 疲弊していた。 何の武器も無い地味で目立たない彼女。 だが今日この日だけは違っていたのだ…
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