鮮明に犯される情欲

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未だ女の瑞々しい湿りが渇くことを望まぬと訴え続けているようだった。醒めたわたしの意識を朦朧とさせる。薄らと記憶に残る女の顔を搔き消していく。 熱っぽい妖艶な唇が只管に私へ誘惑を囁き続け、誘われる儘に応えろという本能に従って女を鳴かせていた。 耳元で上がり続ける嬌声に、何処かへ集中して熱が増し続ける。しかし女はまるで満足することがないように鳴き続ける。 そうして女は私の情欲を煽り煽って高みへと誘い続ける。 ああ、欲しい。早く欲しいと体は訴えだし、うずうずと湿った女の其処を求めて止まない。 私の指に吸い付き飲み込む其処はひくひくとし、そんなに好いのかと私は指を動かすことを止められない。 私は、女が満足するまで、女が其処へと誘惑するまで、待たなければならなかった。 遂に女が堪らない切ない声で懇願した。 ねえ、いつになったらわたしを食らってくださるの?
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