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獅音が木原建設の駐車場に着くと、
もう 龍二の2t トラックが止まっていて
獅音の車を見ると
中からスーツで、おめかしした龍二が
獅音の車の助手席に乗り込んできた。
龍二は、「おはよ。」と言ったあと
獅音の顔を見て、いたずらっ子の顔をしている。
「レオ、俺 今 小説を書きたくて…。
色々と本を読んでる。」
「あぁ。」
「でね、推理小説なんかは 物凄く トリックが複雑なんだ。」
「ん?」
「男が、証拠を掴もうと 監視カメラを設置しに行くと
そこには、もう 「犯人」が付けた 監視カメラがあって
こちらが、カメラを設置するのを ほくそ笑んだ顔で
見てるんだ。」
獅音は 少し 驚いて
「ん? もう、すでに あの事務所に監視カメラが
ある、って事?」
龍二は ふふっと笑うと
「ま、小説の中の話しだと、そんな事もある。」
「・・・・・・。」
龍二は少し得意気に
「今、事務所に行ったら 金庫の中身を確認してみろよ。
金が戻ってるかも知れない。」
「じゃあ、オレ達は 犯人を見つける事が出来ないのか?」
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