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いつもは騒がしい、スーパーの食料品売り場。
そこに僕はいた。
全く母さんは、子供づかいが荒い。
メモを握らされて家から放り出されたのはついさっきだ。
せっかく上位モンスターが出てきたから討伐しようとしたのに。
握らして欲しいんはメモやなくて小銭や。
母さんは分かってへん。
【討伐依頼を受けるか?】
>はい
いいえ
答えはもちろん、「はい」や。
それなのに、ボタンを押しかけたところで母さんがドアを開けて部屋に入ってきたときは、たぶん僕は、あの有名な絵画、ムンクの「叫び」みたいな顔だったんやろう。
ほんまにもう、嫌ンなるわ。
もういいや、早よ帰ってモンスター探そ。
僕はメモを開いた。
「チョコルイト、牛乳、ちくわ、醤油
勝ってこい。 by 母
PS.お釣りネコババしたらこづかい減らすぞ 」
何やねん「チョコルイト」って。
ていうか、勝ってこい?
買ってこい、やろ。
母さんは40過ぎてんのに間違うたらあかんやろ。
あ、お釣りパクったれ思うてたのに、バレとるし。
チクショウ。
あれ、なんや?
顔を上げると、看板が目に入った。
「タイムセール
内容
チョコレート、牛乳、ちくわ、醤油」
母さんが狙うとるの、これやないか。
人が多いとこ嫌いやのに。
チクショウ。
会場に行くと、100はおるんちゃうかと思うくらいの人数の人が大きなテーブルを囲んでいた。
僕は幸い、最前列に並ぶことができた。
早よ始まらんかなあ…。
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