修羅場

6/42
前へ
/258ページ
次へ
優美と優美の両親を居間へ案内する。 奥さんと共に座っているひっくんを見た優美は硬直してうつむいた。 わかりやすい女だ。 なんでこんなに馬鹿なんだ。 こんな女を好きになった過去の俺は大馬鹿野郎だ。 ひっくんは逆に落ち着いている。 その余裕はどこからくるんだろう。 皆、一通り挨拶を済ませる。 まだ七時前だが全員揃ったので始めることにした。 「皆さん。今日はお忙しい中、わざわざありがとうございます」 「前置きはいい。どういう事かさっさと説明してもらいたい」 焦るなって、お義父さん。 今から嫌ってほど説明してあげるから。 と、その前に。 「その前にですね、今から会話は全て録音させていただきます」 そう言ってポケットからボイスレコーダーを取り出した。 ボタンを押して録音を開始する。 そして家族会議という名の修羅場が始まった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

256人が本棚に入れています
本棚に追加