修羅場

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「結婚前にピリピリし過ぎてない?疑われてる人はしてないって断言してるわよ?」 お義母さん。 あなたは何年も前から知っている俺よりも、今日初めて会った男の言葉を信じるのか。 これが親馬鹿ってやつなんだろうな。 「そうですか。そんなに樋口さんの発言は信用出来ますか」 「俺は無実を晴らしにきたんだ!当たり前だろう!」 場の雰囲気からいうと圧倒的に俺が悪者だ。 ざまぁみろ、という顔で俺を見ているひっくん。 まぁ、嘘吐いてまでここに来た度胸は誉めてやる。 優美はずっと下を向いて固まっている。 自分の不始末は全部親任せか。 お前いくつなんだよ。 さて、嘘発言も録音したしもういいだろう。 俺は無言で席を立ち別室にいた平田さんから鞄を受け取って居間に戻る。 「皆さん良く考えて下さいね?俺の只の疑いや勘違いだけでこんな大事にはならないんですよ」 そう言って鞄から一枚の紙を取り出した。
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