修羅場

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『これから行くね♪ひっくんに早く会いたいよぉ~』 『早く来いよ。俺も溜まってんだ』 二人のメールのやり取りの内容を、よく見えるように拡大コピーしたものだ。 「な、なんだ?これは」 「優美さんの送受信メールの一部です。相手はそこにいる樋口さんです。この日私には、用事があると言って出かけていました」 お義父さんの顔が一気に強張る。 優美とひっくん、二人揃って顔が真っ青になった。 「ちょっと!私の携帯勝手に見たの!?」 さっきまで眠ったように静かだった奴が急に元気になったな。 怒る事だけは一人前ってか。 「何で人の質問は無視しておいて怒ってんの?で、さっきのは嘘?本当?」 「こ、これは会社の飲み会の時のメールだ。人間酒が入ればメールでこういう冗談も送るだろ?」 おー。 まだシラを切るのか。 って、なんだその言い訳は。 馬鹿にしているのか?
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