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「とりあえず、オレと一緒ってことか。
さっきの人、課長さんだよ、早く行かないと」
「あ…そうなんだ」
私も急いで歩き出す。
増田さんの言ってた、開発の渡部ってどんな人だろう…
私、開発に行くって…?
無理だよ、そんなの!
どうなってんの??
志賀くんに背を押されながら部屋に入る。
「おっはよーございます!
今日からお世話になります、志賀夏樹です!
よろしくお願いしまっす!」
志賀くんは入り口で大きな声で言い、一礼して入って行った。
企画部の人たちが笑って「元気な新人だなあ~」と声をかける。
明るい雰囲気に、私もビックリしながらも資材部の時のような気後れはなく入っていけた。
「霧里、和奏です。
あの、今日付でここに異動になったそうなのですが…」
「おう、君が霧里さんか。
待ってたよ」
窓際のデスクで、男の人が声をあげる。
あ…さっきの人だ。
その人は私を手招きした。
私は一礼して部屋に入り、その人のデスクの前まで行く。
デスクには『開発二課課長 渡部優人』と書いてあった。
渡部…あっこの人だ!
『開発の渡部はそーとー変わってるからねえ…
私と同期なんだけど、めんどくさいやつよ』
増田さんの言葉を思い出して、私は一気に緊張する。
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