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そして、理央もまた私のかけがえの無い大切な友達。
そんな理央に今、ちゃんと伝えなくてはいけないと思った。
「理央...私、輝人くんと付き合ってるの ちゃんと言わなくてごめんね」
「理央ちゃん、ドッキリじゃなくて本当の話やけん 信じてくれると」
理央は私と輝人くんを交互に何度も見る。
そして…
「わかった。舞衣がこんな嘘付くわけないしね」
そう言って、笑ってくれた。
理央は、私の話を疑ったりしないってわかっていたのに、ちゃんと話さなかったことを反省する。
「言わなくて、本当にごめんね」
「舞衣、言わなくてじゃなくて、言えなくてでしょ」
「あっ、うん」
理央は私のダメなとこ、ちゃんとわかってくれている。
やっぱり幼なじみだ。
「輝人くん、舞衣は思ったこと言わないで我慢しちゃうとこあって、不器用だけど、すっごくいい子だから、よろしくお願いします」
お母さんみたいな挨拶をしてくれる理央の優しさが嬉しくて、鼻の奥がツンとして泣きそうになる。
「わかってます。舞衣ちゃんが我慢しないように、俺がいつも隣で舞衣ちゃんを全力で笑顔にします」
何故か敬語の輝人くん。
二人のあらたまったやり取りに、メンバーからまた笑いが起こる。
「真面目やん!」
私は泣きそうになっていたけど、怜くんの一言で笑っていられた。
「理央、snowdropを好きになってくれて、ありがとう」
「なに言ってんの マネージャーでもあるまいし」
そう言って、肘で小突かれる。
なんだか嬉しそうにニヤニヤしている理央。
その表情を見て、私たちをちゃんと認めてくれたんだと気付いて嬉しくなった。
思わず理央を抱きしめる。
「えっ舞衣どうしたの」
私のこんな行動に慣れてない理央は、当然戸惑っている。
今日の私はなんだかおかしい。
「理央、大好き」
「はいはい、そんなこと知ってるよ」
そう言って、子供の頃のように笑いあった。
「よし、みんなで打ち上げ行こう!」
なんて温かくて、幸せな時間なんだろう。
トマトの神様の周りには、こんなにも幸せが溢れているんだ。
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