トマトの神様の隣

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理央が席を外している時にスマホをチェックしてみると、輝人くんからのメッセージが2件入っていた。 [舞衣ちゃん、今日は岐阜から友達遊びに来てるん?] [よかったらお友達も一緒にご飯行かない?] 輝人くんに会いたいけど、さっきの話を聞いた後では、理央に紹介できそうにないと思った。 [久しぶりに幼なじみに会ったから、二人で話したいこともあるし、今日は会えないかな ごめんね] そう返信したところで理央が戻って来た。 「誰にLINEしてんの? 彼氏? そう言えばあの彼氏とはそろそろ結婚するの? えっと、修二くんだっけ」 「あ、理央、そのことなんだけどさ…修二とは…別れたの」 「えーー! そうなの!? 言ってよ! 結婚するとばかり思ってたから、いつ報告があるかって楽しみにしてたのに、えっ、それで、なんで別れちゃったの」 この手の話が大好物な理央は、なんでなんでと聞いてくる。 いつかは話さないとと思っていたことだけど、数か月前に終わった恋愛話なんて、今更したくなかった。 「私が振られた方だし、縁が無かっただけだよ」 「なに? もうそんな感じでいられるとか、冷めてたんだ」 「違うけど…それに、別れたの半年以上も前なの」 口に出して気付く。 元彼と別れたのは、もうそんなに前のことなんだ…時の早さを実感する。 「じゃあ、あっちが浮気したとか」 「そんなんじゃないよ、タイミングが合わなかっただけ」 「なんで言ってくれなかったの」 「店長になって仕事とかいろいろと忙しくて、今まで言わなくてごめんね」 「舞衣はこのまま結婚して、幸せな勝ち組とか思ってたのに、なんかショック」 私が一番ショックだったよその時は…ショックすぎて誰にも言えなかったんだよ。 心の中でそう思ったけど、もう終わったことだと飲み込んだ。 「舞衣はまた我慢したんでしょ 一方的に別れようとか言われて、素直に引き下がったんじゃない? 私に相談してくれたらガツンと言ってやったのに! まぁ、舞衣みたいないい子振るなんて見る目ない奴だね、次行こう!次!」 こう言う時、理央のポジティブさには救われる。
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