41人が本棚に入れています
本棚に追加
理央が席を外している時にスマホをチェックしてみると、輝人くんからのメッセージが2件入っていた。
[舞衣ちゃん、今日は岐阜から友達遊びに来てるん?]
[よかったらお友達も一緒にご飯行かない?]
輝人くんに会いたいけど、さっきの話を聞いた後では、理央に紹介できそうにないと思った。
[久しぶりに幼なじみに会ったから、二人で話したいこともあるし、今日は会えないかな ごめんね]
そう返信したところで理央が戻って来た。
「誰にLINEしてんの? 彼氏? そう言えばあの彼氏とはそろそろ結婚するの? えっと、修二くんだっけ」
「あ、理央、そのことなんだけどさ…修二とは…別れたの」
「えーー! そうなの!? 言ってよ! 結婚するとばかり思ってたから、いつ報告があるかって楽しみにしてたのに、えっ、それで、なんで別れちゃったの」
この手の話が大好物な理央は、なんでなんでと聞いてくる。
いつかは話さないとと思っていたことだけど、数か月前に終わった恋愛話なんて、今更したくなかった。
「私が振られた方だし、縁が無かっただけだよ」
「なに? もうそんな感じでいられるとか、冷めてたんだ」
「違うけど…それに、別れたの半年以上も前なの」
口に出して気付く。
元彼と別れたのは、もうそんなに前のことなんだ…時の早さを実感する。
「じゃあ、あっちが浮気したとか」
「そんなんじゃないよ、タイミングが合わなかっただけ」
「なんで言ってくれなかったの」
「店長になって仕事とかいろいろと忙しくて、今まで言わなくてごめんね」
「舞衣はこのまま結婚して、幸せな勝ち組とか思ってたのに、なんかショック」
私が一番ショックだったよその時は…ショックすぎて誰にも言えなかったんだよ。
心の中でそう思ったけど、もう終わったことだと飲み込んだ。
「舞衣はまた我慢したんでしょ 一方的に別れようとか言われて、素直に引き下がったんじゃない? 私に相談してくれたらガツンと言ってやったのに! まぁ、舞衣みたいないい子振るなんて見る目ない奴だね、次行こう!次!」
こう言う時、理央のポジティブさには救われる。
最初のコメントを投稿しよう!