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イケメンの彼女
残したくなかったから腹がはち切れんばかりに食べた。
店をでてからは、七島に促されて目の前に広がる砂浜を2人で歩いていた。
今、お腹を押されたら全ての苦労が水の泡になりそうだ。
げっぷを我慢してよたよたと歩いた。
「残りはテイクアウトにすれば良かっただろうにな、お前って馬鹿だな」
えっ、そういうことは言ってよ先に!
くすっと笑った七島。
「それ以上太って、どうしたいんだよ」
太ってる?
私は太ってるの?
かーーーっだ!ムカつく、人がどんな思いで平らげたとおもってんのよ。
ほんと、ムカつく。
「お前、相当腹が減ってたんだな。ガツガツ食ってたもんな。フードファイターになるのかと思った。ははっ」
やたら馬鹿にしてる。
鼻で笑われたら最高にムカついて来た。
「あんたが男のくせに少食だから、代わりに食べたのよ。ったく男のくせに口が小さいのよね。ははっ」
私だって完璧な七島のことを鼻で笑えるんだから。
「まーな、俺は満腹になるまで食わない主義。脳まで食べ物でいっぱいになりそうだから。それに口はお前より小さいかも、あ、違うか。お前がデカイだけで俺は普通なんだ。そーだきっと」
かーーーーっ、悔しい。
何故かすっかり、わたしの口がデカイことにされてしまった。
憎たらしっ!
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