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今日はお手洗に行った際にパンストに伝線が走った。昨日作った会社の展示会ちらしのデータがバックアップファイル共々壊れてしまい、今日は復旧作業でほとんどの時間を費やしてしまった。昼ご飯の途中で課長からの呼び出しを喰らい、ランチは半分程しか食べれなかった。
そう、今日はついていない。
そして、疲れているのだ。
だから、目の前のエアコンの排気口からギョロリとした丸くて白い目玉が一対、こちらを見つめているように見えるのも、きっと幻影にちがいない。
「どちら様ですか?」
私はファンタジー小説が大好きだ。いつか自分の身にファンタジーな事象が起きるといいなと夢見ていたが、実際に起きてみると腰が引けてしまう。それでもなけなしの勇気と社会人としての矜恃を振りかざして、目の前の目玉に問いかけてみたのだ。
「見て分からないのかい? エアコンお化けだよ」
しゃ……喋った!
自分から尋ねておきながら、まさか返答があるとは思っていなかった私。悪寒と鳥肌が足元から頭の天辺に向けて駆け抜ける。
「ぎゃーーーー!!! 出たぁあああ!!!」
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