小さな冒険

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小さな冒険

何度も何度も確認を繰り返した。 全体の流れを。   今日はどこまで進むのか。次はどんなことが起きるのか。そして、いつ自分が行動を起こせば良いのか。 ドキドキしながら、ボタンを押した。   人の為なら、こんなに緊張しない。誰かの為なら、なんの迷いもなく手順を確認し、時間とタイミングを考えて冷静に行動できる。   初めて、自分の為に無茶をしたような心境だ。 多くの人にとって、大きな問題ではないだろう。きっと不可思議がられる。何を迷うのか?と。 しかし、私にとっては大きな一歩なのだ。 私にはあまり物を欲する気持ちが無いようで 「何かプレゼントをリクエストして!」と言われると困ってしまうのだ。 そんな私が初めて自分の為にボタンを押したのだ。 どうしても生活に必要な訳でもなく、誰かに喜んでもらう為でもなく、ただただ自分の喜びの為、手に入れたいという欲求を満たす為だけにボタンを押した。   「受け付けました」と表示が変わる。 次に起こる変化をすぐさま確認した。 連絡が来たら、次の行動開始だ。 久しぶりに興奮している自分を改めて感じた。   「ホゥ」と、一呼吸して、お茶を一口。 緊張した。。。と、同時に次の連絡が待ち遠しい。 手元に欲しい物がやって来る。 その時まで、このトキメキが続くのだ。 心地良い余韻のなか、明日への準備を整えて行く。 もう夜中だ。眠れるだろうか。   次に起こる展開に思いを馳せながら、私は眠りについた。
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