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 それにしても、自分はいったい八瀬にどう思われているのだろう。  この店のこともそうだし、このあいだ諭すように言ってもらったこともなにひとつ身になっていない。  彼女たちの話を聞きながらも、意識の片一方は八瀬たちへと向いてしまっていた。    「それにしても、どうされたんですか、こんな店に」 「こんな店って、一応今はきみが店長なんじゃないの」 「いや、まぁ、そうなんですけどね。それでどうして――」 「それよりもいいの? こんな時間まで高校生働かせて」  高校生という単語に、浅海もどきりとしたのだが、ちらりと自分のほうを見た達昭はものすごく嫌そうな顔だった。  どうせ八瀬に向き直るときには完璧な愛想笑いに戻っているのだろうけれど。  達昭が対応しているのだから、気にしないようにしよう。そう決めて、彼女たちの接客に集中しようとしたのだが、どうしても話し声が耳につく。 「お知り合いでしたか」 「そう、お知り合い。俺の大事な知り合いの子でね。だから、あんまり雑に扱わないでくれるかな」  気にしないようにしようと決めていたはずなのに、視線が八瀬に向いてしまった。目が合った八瀬が、にこりとほほえむ。 「ね、浅海くん」  どう思われている、どころじゃない。まちがいなくぜんぶバレている。断り切れずバーテンダーのまねごとをしていたことも。そして、そのせいで滅入っていたことも。
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