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「じゃあ、僕は無罪放免なんですね?」 「勿論。貴方の言う女性が、もし私たちの想起する伝説的天才女性科学者の複製だったとしたら、宇宙遺産ものの大発見ですがね」 「えっ、それじゃあ彼女亡くなったんですか?」  行政官は言った。 「ええ。五十年ほど前に亡くなっています」  僕はまだ事態が飲み込めないでいる。 「違法なクローンは処分されるのではないですか?」 「まさか、それは百年前の法律でしょう。近年は、有機アンドロイドでさえ人権を持つ時代なんですよ。先ほど貴方が検査を受けた看護師、あれが有機アンドロイドです」 「あれが、アンドロイド?」 「そうです。しかし残念ですよ、彼女の遺体があれば再生できたのに」
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