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Ⅵ
僕は百年もの間宇宙を漂い浦島太郎となっていた。
しかし宇宙飛行士にとっては、特別なことでもないのだ。亜空間航法が無かった時代、多くの宇宙飛行士はウラシマ効果を覚悟の上で、愛しい人たちに別れを告げ宇宙の彼方へ旅立っていった。
それは亜空間航法が実用化されても変らない。
地球に残る人たちは、自分の老化を止め寿命を伸ばすことを望んだ。数十年、数百年後に帰ってくる、愛しい人を出迎える為に。
地球政府は僕に有機アンドロイドのアシスタントを手配してくれた。今度も女性型で、見た目では人間と区別がつかない出来栄えだ。愛想の悪さは仕様らしいが。
僕たちはシャトルで地球へ降下した。地球の重力が僕のからだに重く圧し掛かる。
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