第14話 お祝い

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 別に責める意図はなかったのだが、ウリエルはきまりが悪そうに目を泳がせた後、誤魔化すように話題を変えた。 「あ、明日の決勝戦は、二人のどちらかが優勝することになるのよね~。なら、何かお祝いの準備をしないと! 私としては、お祝いといえばお酒だと思うのよ~」  ウリエルはそう言って、俺におねだりするような目を向けてくる。  そういえば、彼女はゲームでも酒好きという設定だった。  アデルの仲間になるキャラクターには、それぞれ信頼度を上げるアイテムがあり、ウリエルの場合は、それがお酒だったのだ。  この信頼度を上げると色々と利点があるので、俺は全員の信頼度を最大にまで上げている。  ウリエルにも、お酒が手に入るたびに渡していた。  俺におねだりしてくるのは、その時の記憶が残っているのだろう。  しかし肝心の祝われる側であるカリーナ達三人は、微妙そうな顔をした。 「わたくし、以前に一度だけお酒を頂いたことがありますの。でもその時から、お酒は絶対に飲むなとお兄様から言われておりまして……」 「ちょうど今、試しにカリーナに飲ませてみたくなったけど……私自身は、あまり飲みたいとは思わないかなぁ」 「私も、好きじゃない」  大不評に、ウリエルが頬を膨らませる。  まだお酒を美味しいと思える年齢じゃないだろうから、当然だろうに。 「お祝いか……」  実は、今日のメニューもお祝いのつもりで随分と豪勢にしていたのだ。  それ以上となると、かなり特殊な食材が必要になってくる。  明日の夜までに手に入れるには、アデルの力を駆使しても苦労するだろう。  でも、頑張ったカリーナのために一肌脱ぐのも悪くないと俺は思ったのだった。
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