女子高生は十代目山田浅右衛門

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家に帰り、自分の部屋に入り茶封筒を開ける。 1万円札が入っていた。まあ流石に1000円札はないだろう。 机の上に広げると10万円あった。 人の命が10万円なのか? 斬首という仕事の手間賃が10万円なのか? 自分の栄誉の価値が10万円なのか? 色んな思いは浮かぶが、このお金が無きゃ、自分達は生きてはいけない。 どういうお金だとしても、貰っておくしかない。 素直は10万円に向かい手を合わせて 「ありがとうございます」 と言うが、一体誰に向かって言っているのか、自分でも分からなかった。 菅原さんにだろうか? 自分達を生かしてくれる10万円にだろうか?  この10万円の為に死んだ(元)死刑囚の菅原さんにだろうか? 分からないが、ーー少なくとも、自分自身にではない。 それは確かだ。
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