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ゴトン。しばらくして小さな物音に由香はふと目が覚めた。
「いっけない。また寝落ちしてた。さっさとシャワーして…と思ったけど、フワァア。眠いからシャワーは明日でいっかぁ~…」
由香は大きなあくびをしてから、着替えもせずに電気だけを消してベッドに倒れ込んだ。部屋は真暗になり、僅かに聞こえるのは由香の静かな寝息だけとなった。テレビには観終わった映画の終了画面が静かに映り続けていた。
由香がベッドに入って三十分程経った頃。ズッ、ズズッ。暗闇の中で何やら鈍い音がなりだした。由香が眠る僅か数十センチのベッドの下からゆっくりと男が這い出して来た。男はゆっくりと立ち上がると、眠っている由香の肩を少しだけ揺すった。
「ん、うぅん…」
由香は僅かに声を出しただけで起きる気配は無い。
「フフ、紅茶に入れておいた睡眠薬が効いているみたいだな」
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