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突然別の男の声がした。ベッド男は慌ててポケットからカッターを取り出そうとしたが、そこにはベルトが外れて緩くたるんだズボンのポケットがあるだけだった。キスに興奮していてカッターを抜き取られたことに気が付かなかったのだ。凍り付いたベッド男に向かって突然現れたもう一人の男がカッターを向けて言った。
「俺の由香に随分と酷いことをしてくれたもんだな」
「わ、悪かった。こ、これはほんの出来心というか、その…」
「出来心だと? 俺の可愛い由香の肩に傷まで付けやがってよ。残念だが明日には刑務所行きだな」
「…よ、よし、お前金は欲しくないか? ご、五十万出す。な、どうだ?ただで五十万手に入るんだぞ。それにお前の大事な由香ちゃんだって、なんだ、最後まで犯られたわけじゃない…、な? どうだ?」
「俺の由香をこんな怖い目に遭わせといて、たったの五十万ねぇ…」
「わ、わかった。百万出そう。それでどうだ?」
「…よし。いいだろう。だが逃げられちゃ困るからなテメェの身元を調べさせて貰うぜ。あっちの壁際に行って壁側を頭にして床に伏せるんだ」
ベッド男が言われた通りに床に伏せると、もう一人の男はベッド男の鞄の中をあさり出した。
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