宿願

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「二度寝三度寝と言わず、五度寝する勢いで思いっきり寝てみてください。逆に頭痛くなるかもしれませんが、」 寝た。一日中寝て過ごした。軽く十度寝したのであの人の予想通り頭痛がすごかった。それでまた寝込んだ私を君は笑っているだろうか。 「好きなものを、美味しいものを、これでもか!と言うほど食べてください。後、食べてお腹壊しても胃腸薬は使用量はちゃんと守ってください。」 彼とよく行ったカフェで頼みたいものを頼んで嫌と言うほど食べた。一口ねだる人がいないから、思ったより大変だった。もちろんお腹壊したけど、薬の量は守ったよ。でも、少し多い位が良く効くんだけど… 「好きな服を着て、嫌いになるほど買い物をしてください。ただ、荷物持ちがいないので大変かもしれませんが。」 これは嫌味だな。ちゃんと嫌いになるほど買い物したよ。滅茶荷物重かった…こんなに重いなんて思わなかったから、ごめん。 「嫌いなことの勉強をしてください。特に数学。計算が弱すぎです。終わったらご褒美を自分に与えましょう。」 珍しくメリット的なのが後にきた。だって計算嫌いなんだもん。高校の数学IIIですら実生活で使わないじゃん。ちゃんと勉強したけど。ご褒美あったらまたやる。 「僕の物を全部捨ててください。貴方は人のデバイスを勝手に見る癖がありますが、パソコンのデータは絶対に見ないように。」 君のものは綺麗さっぱりしたよ。作品はネットオークションで全部売れたし、手紙とかは残したけどね。パソコンはえっと…変態なんて思って無いから安心してね! 「新しい場所に引っ越して、そこで友達をたくさん作ってください。少しコミュ障な貴方には大変かもしれませんが。」 友達は多くなったよ。でも、少し余計なお世話…君だってコミュ障のくせに…でもありがとう。 「やりたいことの世界に飛び込んでください、色んな経験をしてください。でも、物はできるだけ増やさないで。貴方は片付けれないから。」 イラスト、小説、漫画、いろんなことをやったよ。片付けるようにしたから物も増やした。予想外でしょ?悔しがってるの見たかったなぁ。 「愛する人とたくさん笑って、最後まで幸せに生きてください。苦しい時もあるかもしれませんが。」 彼の願いは最後になるほど壮大になっていった。私は全部叶えるつもりだった。ただ一つを除いては。
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