3人が本棚に入れています
本棚に追加
それからSNSを使い小学校遠足イベントは大々的に告知され、女児と化したにょたチョコ男子と遊びたい猛者が集まり、また教師と化したにょたチョコ男子に叱られたい猛者も集まった。つまりはちょっと変な人たちだ。そして皆さん、男性で今回のイベントは高め設定だから、そこそこ収入もある人たちだろう。
ちなみに今回のイベント告知で伊織先生のSNSは大炎上したが、伊織先生は一言『黙れ!』と打って放置した。流石、鋼の心臓だよ。
遠足日当日、いやになるくらいの晴天。その中、俺と良くんと香多くんとげたんわくんは、国民的アニメに出てくるような女の子の格好をして黄色帽を被る。背中にはリュック。その中には更紗さんとはろんさんと薫蘭風ちゃんが用意したお弁当と麦茶の入った水筒。そして、五百円以内のおやつ。伊織先生のたっての希望で持たされたバナナが入っている。
フルーツもおやつに入るけど配給だから問題ないのだとわざわざ作ったプリントに書いてあった。ちなみにおやつ五百円のレシートを提出しなければならない徹底ぶりだ。みんな伊織校長先生の発案だ。伊織校長先生は服装だけじゃなく下着まで指定してきた。動物がプリントされたもの以外不可だそうだ。
教師役の大人にょたとほんもの女子はジャージなのになぁ。
「ちゃんと先生と呼ぶのだよ!」
伊織校長先生ももちろんジャージ。ただ肩にかけたロープが気になるんだよね。
「ではしゅっぱーつ!!」
先頭は保護者(仮)の男ども。その次に俺ら女児にょた。その次にファンなのだけど……、
「ふわっ!?」
俺はいきなり声をあげた。だって後ろからいきなりスカート捲られたから。
「何すんだよ!?」
ファンの一人に俺は睨みを効かせる。
「まぁまぁ。好きな子には意地悪したいからぁ。まぁ行きすぎたら縛るからぁ」
その横に使う気のないロープを見せびらかす伊織先生が並びにやけた顔をする。
「金取ってるしー。パンちらも見られるしー」
伊織先生、確信してやってるな……。
みんな心配そうに俺を見る。そうだよ。俺はにょたチョコ男子の中でもパンちら確率低いにょたチョコ男子なんだぞ?負けるかよ!
最初のコメントを投稿しよう!