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奥宮春輝
「美和の席、面白そうだね」
「笑い事じゃないよ~。
どうしよう。花ぁぁ!?」
「頑張れ、としか言えないかな。私には」
「冷たくない!?」
いつもは楽しい昼休みの時間。
だが、あいつのせいで大好きなお弁当も味がしない。
「何がそんなに嫌なのよ」
花が怪訝そうな顔をする。
「イヤでしょ‼」
「何が?」
「え?」
と、私。
「え?」
と、花。
「もーしーかーしーて」
邪魔なヤツが来たな。
「花、知らないの?」
「何が?」
「美和のヤツ、奥宮に振られてんだよ」
佐々木菜摘がニヤニヤしながらいう。
「え!?そうなの!?」
「そうなんだよ。そうなんだよ。」
菜摘が楽しそうにいう。
一体、何が楽しいんだか。
机に頭を打ち付ける。
鈍い音がした。
「うお!!びっくりした!!
って美和!!やめなさい‼」
あんたは母親か。
何度も何度も打ち付ける。
あの記憶が消えるように。
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