六時間目 臨海学校

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 慌ただしい一日が終わりかけの放課後。結局体育教員に勝手に飛び込んだことを怒鳴られた。まあ準備運動もなしに突っ込んでいった俺が悪い。実質ほとんど泳いでいないけど妙にけだるさを抱えて、俺は和室の扉を開いた。水泳カオス事件の後片付けはまだ終わっていないのである。 「お待たせしました。お揃いですね。写真部の皆さんと部長さん。」 『はい会計様』 「よう。元気そうでなによりだのぅ。会計殿。」 そこには俺の上半身ヌードを激写したカメラ小僧3人と……にやにやと笑う広報委員長の緒環神楽耶さんがいた。 「緒環先輩なんで……って確か写真部部長も兼任してましたね。」 「広報委員は写真部の写真を買い取って仕事しておるからの。儂が兼任しておる。」 「……はあ、なるほど。」 やりずらい。非常にやりずらい。基本誰でもウェルカム泉璃くんだけども、緒環先輩は名誉ある例外だ。なんてったって考えも読めないし、何がしたいのかさっぱりわからないのだ。 「それで……まず写真部の皆さんに今回のことで注意したいことが一点。授業中に部活動をしないでください。学生なら学問が最優先ですよね。」 「運動部が体育の授業中に活躍するのは良いのに写真部は例外かぃ?」 突っかかってきた。これは……抵抗するつもりのようでして。 「写真部の皆さんは私物を持ち込んで授業中に活動されてますよね。野球の授業で野球部が授業の内容に沿って学校の備品で授業に参加するのと、水泳の授業で授業に不要なカメラを持って、授業と関わりのない写真を撮る行為は同じだとお考えで?」 「ふむ。授業で公認されておれば良いのだな。あい分かった。」 一旦納得したらしい。てかなんで俺が先生みたいなことしてるんだろう?教師がやってよ教育的指導。 「わかっていただき幸いです。ではもう一つ。俺の写真消してください。」 「それ、はどの写真についてじゃろうな?」 三日月のような微笑みを浮かべた緒環先輩は、おれの目を覗き込んだ。
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