六時間目 臨海学校

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 正直写真に心当たりはある。生徒総会直前に風紀委員長に詰められた時。写真を取られたような……気がする。でも、それがどうして外に出た? 「ほう心当たりがあると。流石色男。」 「ですが、そんな写真を貴方に差し上げた悪い子には心当たりがありませんね。」 にっこりとお互い笑っているがバチバチと視線が絡み合う。それも一瞬のことで降参したというように緒環先輩は肩をすくめた。 「それがなー出所がわからないのだよ。」 「は⁉」 「いきなり儂の部屋に郵便で入ってきたのよ。某の手紙は郵便の学園バイト生が入れたことも、その当人が中身を知らなかったことも確認済み。だから本人に事情を聞こうとな。」 「なるほど……」 「して、心当たりの先はどなたかな?」 「当然秘密です……が、折角教えてくださったので一応……俺の心当たりのある人は無意味にその写真をばらまくようなことをしない人です。」 「ふむ。儂に渡す意図があるのかな?」 もしも風紀委員長である葉露先輩がその写真の元持ち主だとするのなら。どうして緒環先輩に渡すだろうか。悪意のある拡散をしようと?そんな人じゃないと断言できないのは……関係性がこじれてしまったから致し方ない。しかし、俺を貶める意図があるのなら、彼はもっと上手く最悪の形でおこなう。あまり好んでいない緒環先輩に匿名で出すなんて微妙な方法とらない。 「ま、それはともかくその写真くださいませんか?」 「ほ?」 「ほ?じゃないんですよ。俺の預かり知らないところで、そんなキワドイ写真握られて気分が悪いんです。」 「脅しはせぬよ?」 「どうしよう。到底信じられない。」 ここからが本番だ。写真を回収しないことには、一生強請られる可能性が否めない。手放す気がまるでなさそうな緒環先輩をじろっと見ると、一瞬考えこんでからニヤと笑った。 「タダではいやじゃなぁ」 「……では、貴方の願いを俺のできる範囲でひとつ叶えましょう。」 まあこの人なんでも基本的に持ってるから、俺から上げれるものなんてほとんどないんだけども。 すると、ぱあっと顔を明るくして、緒環先輩は口を開いた。 「なら、主の親衛隊隊長にあわせてくれ!」 ほ⁉なんでそうなった。
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