一時間目 王道学園での俺的処世術

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 とても嫌な予感がした。俺の第六感(シックスセンス)が告げていた。 だけど、キャラ的にどうしても行かなくていい理由もなく……むしろ生徒会役員が全員行くのに俺だけ行かないというのも目立つわけで。 はい、やってきました食堂です! 今、私が何処にいるかというとー。ココです!ここ!ここ!食堂の入り口で、絶叫にも似た黄色い(?)声援を受けておりました! なんだろうね? いきなり目があった瞬間にぎゃあと叫ばれるのは、なんだか悲しい。俺は黒く光って飛んだりするタイプのGかなって思う。 その声援に、にこやかに手を振らなくてはならない俺。できれば今すぐここから逃走したいくらいには目立っていて、そっと自分より背が高い鹿くんの後ろに隠れる。 バレない程度に。 「せんりーどうした、の?」 バレた。速攻ばれた。優しい鹿くんは、俺の頭を撫でている。ちょっと気持ちいい。でも、撫でられるたびに叫び声がエグい事なるので、やんわり止めた。 「きゃあ嗚呼あ嗚呼!!歓喜歓喜!」 「なんかネット動画のコメントみたいなやついるぞ。」 「やっばい生の生徒会役員様は目が潰れる。あ、僕の目、そこに落ちてないですかね?」 「あー大型わんこと美形チャラ男会計ってかわぁいい」 「え?これはどっちが右?どっちが右なの?」 「はあ?チャラ男会計様攻め押しの俺に喧嘩売ってんのか?」 「喧嘩すんなって風紀が来る。…美形が絡んでるだけで美味い。そうだろ?」 『同意しかない』 なんか知らないが、争いが収まった。なんとなくゾワっとするので深く考えない。そのとき、キュルキュルと女子のようなお腹の音が鹿くんからして、笑いかける。 「お腹すいてるよね、お昼だもんね……ちょいまち」 食堂の奥の売店にいくと、列に並ぶ。一個前の可愛らしい男の子とガッツリ目があって固まられた。 「うひゃああ?」 「ここ最後尾であってる?」 「ううああい!あの……会計様ですよね?本物ですか?」 「俺に偽物いるの?誰それめっちゃ会ってみたい。……そーだ。できれば会計様ではなくて、名前で呼んでもらえるとうれしーな。センリって。」 「そんな、恐れ多い!!!」 「なに遊んでやがる。さっさと戻ってこい久瀬。」 遠くから会長さんの声がして、さっと列の順を譲られてしまった。仕方ないので、素早くと注文をする。最後に、売店のおばさまに声をかけてから、みんなの輪にもどった。その中心には黒い毛玉がいた。
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