休み時間1 コンプレックスは秘めるもの

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 うららかな昼下がり。平日ではあるのの、午後は休みと通達された為、外の生徒達はのびのびとたまの休みに羽伸ばしをしているであろうこの時間。 生徒会室にもまったりとした、空気が流れていた。通常業務はあれども至急でないという安心感が、緊張感を失わせる。その空気感が楽しい気持ちを誘ったのか生徒会総務の湯灯旋真は濃いブルーの髪を揺らしぴょこんと立ち上がった。 「ねーなんかゲームしよー!」 「ねー暇ならみんなで遊ぼー!」 連動するように由真も薄いブルーの髪を揺らして、二人揃って最初は俺の目の前に現れた。共犯者第一号にはちょうど良いという判断なんだろう。 「いいよ。俺は仕事大方終わったからさ。」 二人ともににっこり微笑むと、二人が側に寄ってくる。俺の腕をつかむと二人が小声で話しかけてきた。 「せっちゃん会長を遊びに参加するよう説得してー」 「せんりちゃんが言えば多分さつきちゃんも釣れるからー」 「ええー上手くいくかな?」 『会長さえ納得させればいける』 この二人遊びに本気だ。だって目が遊びガチ勢。そのまま背中をぐいぐい押されて会長さんの前まで連れていかれた。どうぞというように差し出された俺は、会長さんの机の前に膝立ちして机の上にひょっこり顔を出す。ちょうど会長さんの目線のラインとぶつかった。 遊びたい俺らVS遊ぶそぶりを見せない会長さん。 レディ ファイッ! 「会長さーん遊びましょ」 「お前でか?」 「です。」 「久瀬は大勢の方が好きか。なるほど。」 「……いちいち含みを持たせる天才ですね。みんなでワイワイパーティーゲームしましょうって言ってるんですよ。」 「お前らの遊びに付き合うメリットがない。」 「つまり暇ではあるし、気分が乗らないわけでもないと。」 「……いちいち言葉の裏を読むな。」 はいここで一ラウンド目終了。取り合えずイーブンかな。 頭の中で遊び参加のメリットを考える。勝者の優越なんてこの人は腐るほど持ってるだろうし。たかが遊びにお金とか賭けるのもなあ。ぐるんと一周考えて、俺は実に庶民らしく思いついたことを口にした。 「負けた人は自分の秘密を一つ暴露とか?」 その瞬間すべての音が、いや時が……止まった。ザワールド!
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