休み時間1 コンプレックスは秘めるもの

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今世紀最大の久瀬泉璃の運をかけ、引いたくじで当たったのは。 初戦 鹿くん よし性格がいい。大当たりだ。 二回戦 皐月くん うっ怖い。 最終戦 旋真くん。 底が見えないぞ!怖い となった。大惨事である会長さんから逃れた俺GJ。いやー今年の運使い果たしましたわ。会長さんは、お前の嘘くらい顔見りゃ分かると嘯いているがとにかくあの人を相手にしなくて良いなら、俺天才了解ジーニアス。 ほかの組み合わせも、サクサク決まって、俺の初戦の相手、鹿くんが現れた。 「せんり、うそつく?」 こてんと首を傾げられたその姿は、可愛らしいが俺はここでは負けられない。 「嘘、つかない。つきたくないからお手柔らかにね。鹿くん。」 お互いニコニコしながらお話して、先行の鹿くんが口を開いた。 「せんり、実は、辛口カレー苦手。」 「......い、イイエ?」 苦手です。辛いと口ヒリヒリするので苦手です。全然中辛でいいです。甘口大歓迎です。でもお子ちゃますぎるので見栄を張ってそう返事をすると.....ジャンジャラジャンジャラ 「痛って!?いって!ドンって痛って!!」 片手を空に掲げて蠢く俺。痛すぎる。誰ださっきジョークグッズって言ったやつ。めちゃくちゃ衝撃と電気痛いぞちくしょう。それを見て双子はケラケラ笑う。 「泉璃貴方、辛いの苦手なんですか。」 煽りを込めていつも以上に笑っている皐月くんを見て若干キレめに返事をする。 「別に辛いの全般ダメじゃないけどね!?スパイスが苦手なだけだからね!」 「返事までお子ちゃまになってるぞ久瀬」 会長にからかわれてうなる。鹿くんは申し訳なさそうに...それでも嬉しげに笑っていて、それを見てしまえば腹が立つ気持ちなんておこらなかった。 「じゃあ、鹿くんは実はシークレットブーツはいてる」 「はいてないよ。」 ジャンジャラピンポーン。 「さっきより嘘発見器判断早くない!?......そっか。鹿くんの身長は天然物かぁ」 190あるその高い高い、鹿くんの身長は嘘ではないらしい。ぎりりと噛む奥歯が痛いぜ。
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