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「あ!おっそい!」
待っていたのは、巳城都麦。
「おい!巳城!この地図、見辛かったんだよ!危うく転校早々、遅刻するところだったぞ!」
「あら?これでも、わかりやすく書いたつもりよ。ねえ、悟」
隣に聞くのは、荒垣悟。だが、悟は知らぬ存ぜぬを通す。
「まあいいや。ここなのか?」
「そうよ。ようこそ。異端技能学科へ」
教室に入り、生徒の視線が集まる。
「さあ、転校生を紹介する」
異端技能学科 担任教師 宵島晴久が元気よく言う。
「初めまして。私立怜泉学院高校から来ました。茅森由弦です。よろしくお願いします」
あー、声が低いなぁ。
由弦は、夏休み前に従者だった少年 上浦透馬の両親により、誘拐・監禁されたことがあり、危機感から自分の能力である花の道化 鏡華との人格が乱れてしまう。助けに来てくれた双葉たちが持ってきた月下美人の花を食べたことにより、伯母の能力である月黎を半分受け継ぐ。
代償みたいなもので、普通の女性らしい声が出ず、低音の声に悩んでいた。
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