第1話 新たな出会い

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この声のおかげで、男性だと間違えられることが多くなったからだ。 「同じく私立怜泉学院高校から来ました。猪瀬双葉です。よろしくお願いします」 「あの…」 1人の女子生徒が手を挙げて、質問してきた。 「あの、初めまして。薙下清枝(なぎした きよえ)といいます。由弦さんって…男性ですか?」 「………」 言われると思ったが、ショックは大きい。 「由弦は、れっきとした女性です。能力のせいで声が低いですが。これでも、結構可愛いところあるんですよ。な?」 双葉とは、恋人通り越して婚約者だ。そして、異端の退魔師である由弦の管理者でもある。 帽子を浅く被っていたが、深く被る。 赤らめた顔を隠す。 「みんなー!ただいま!」 都麦は、両手を大きく広げて、ただいまアピール。 「はいはい、おかえり」 「ちょっと酷くない?せっかく帰ってきたのに〜」 「また、試験で落ちるんだろ?」 クラス中に笑いが絶えない。 多分、都麦がいるからか。クラス内が一気に明るくなった。 休み時間や放課後は、クラスメイトたちから質問攻めを受けた。だけど、不思議と嫌な感じはなかった。
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