第2話 探してる人

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「私は、茅森由弦。よろしくね。こっちは、猪瀬双葉だよ」 帽子を取りながら、顔を見せる。 あれ? 「滴、男子って言ってなかった?声の低いイケボの男子がいるって…」 「やっぱりか」 と双葉は、少し怪訝(けげん)な顔をする。 さりげなく手を握った。 「双葉。仕方ないって…私、女だよ」 「へ?」 「ですよね。顔見た瞬間、男子じゃないって思って…親友がとんでもない勘違いを!」 「すみません!」 詩歌と滴は、深々とお辞儀した。 双葉は、由弦を男と間違えられることに少しイライラしていた。 由弦は、双葉の手を握って安心させようとする。 「こんな声だから仕方ないよ。わざわざ来てくれてありがとう」 「あの!お友達になりませんか?」 「へっ?」 滴の提案に、呆気(あっけ)にとられる。
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