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例えば、なにか良いことがあっても、その代償に何か悪いことが起こるんじゃないかと素直に喜べない。
逆に良くないことがあったら、それがもっと酷くなるのではないかと疑心暗鬼になってしまう。
そういった点においては、究極のネガティブと言えるのかもしれないけれど。
……実に厄介な性格だ。
こんな性格だから、人から褒められてもその裏を読もうとしたり、なんだったら何か騙されるんじゃないかと疑惑を持ったり警戒したりすることも珍しくはない。
………実に実に厄介な性格だ。
人からの好意ですら素直に受け取れないなんて、相手にも失礼で、窮屈だ。
けれど、この面倒な性格は昨日今日はじまったわけでもない。
子供の頃、おおよそ小学校の低学年の頃には、もう今の性格が成り立っていたように思う。
だからわたしは、どこか、自分なりの折り合いのつけ方、みたいなものも覚えていった。
厄介な性格はどうすることもできず、一生付き合っていかなくちゃいけないと思ったからだ。
過度な期待はせず、なるべく物事をフラットに受け入れる。良いことがあっても悪いことがあっても、喜びは適度に、不安も適度に。もしネガティブな考えが浮かんでも、周りに漏らすようなことはしちゃいけない。ネガティブはマイナスの空気を生んでしまうから。大丈夫、何かあっても、ほとんどの場合は死ぬわけじゃないんだから。良いことの次にまた良いことがあるかもしれない。悪いことが続くとは限らない。よけいなことは考えちゃだめ!
そんな暗示をかけて、マインドコントロールして………
……を心がけているのだけど、残念ながら、成功する確率はそんなに高くはなかった。
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