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で、香は孝の望む以上に孝の要求にまめまめしく取り組み続けた。
そうして5年目つまり香が35歳の時、30歳の時と比べて50キロも体重を落として45キロになった。身長が158センチだから丁度いいバランスだ。そしてウェストがくびれて88センチから58センチになり、ヒップも締まって111センチから87センチになり、バストは110センチから88センチに落ちてしまったが、程よい大きさになり形も良くなり、何と言っても顔がオタフク顔だったのに瓜実顔になって美人と言える程、綺麗になってしまった。
そうなると孝にとって万々歳と思いきや、そうは問屋が卸さないのが何かと思い通りにいかないこの世の常というもので香は男にモテモテになって立場が一変したものだから孝には目もくれなくなった代わりに玉の輿に乗ろうと奔走し、経済力のある男と浮気するようになってしまった。後は香が意志通り我儘を通して孝と離婚し、浮気相手の男と結婚してしまった。
その際、浮気相手の男から高額の慰謝料を受領できたことは孝にとって不幸中の幸いだったが、果たして妻をデブの儘にしておいた方が良かったのか、それともこの方が良かったのか、その時は美人妻に逃げられたショックが強すぎて良かったとはとても思えなかった。
しかし、高額の慰謝料のお陰で懐が温かくなった孝は、財産を餌に割といい女を釣ることに成功して首尾よく再婚出来、爾来、家でもいつも浮き浮きして妻に何で私を選んだの?と怪訝そうに問われることは無論なく結局の所、万々歳となった。
ということは前妻を美人に変身させたことが功を奏した訳だ。
今にして思えば、あのデブ女を選んで本当に良かった。あの選択は大正解だったと孝は悟るのだった。
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