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孝は成人になってから30になるまで女と縁がなく職を転々としていた。
で、何回も面接を経験した。報われないワタリアホウドリのように・・・
若い頃は未婚でも面接官に変に思われることはなかったが、30に近づくにつれ未婚であることを知られると、蔑んだ目で見られる度合いが高くなった。
だから面接で撥ねられる蓋然性も高くなった。
それでも何とか再就職して仕事にありついたが、やはり結婚していないと周囲の偏見の目が気になって自信を持てないから世間体をよくするため結婚せざるを得なくなった。
孝は低所得者だし容姿も芳しくないし背も低いから勿論高望みは出来ない。
妥協に妥協を重ねなければらない。無意味に無駄に重い石を積むように・・・
そんな希望を持てない思いでパートナー探しに臨み、主に婚活サイトを利用した結果、売れ残りの権化のようなデブ女と結ばれることになった。
年が27と若く、それだけが救いのような何の取り柄もない女だったが、孝は身を固めたことで世間の風当たりが明らかにやわらぎ会社でも自信を持てるようになって仕事上の事が上手く循環し、定職に就くことが出来た。
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