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「あ、国府田君。委員会終わったの?」
わたしの言葉に、国府田君はふふんと笑う。
「まぁね。なにやら文化祭のスローガン決めで悩んでいたけど、最終的に僕の意見で一発さ。
という訳で、委員会が早く終わったのも、もしかしたら杏子くんを助けるために神様が僕を今教室に差し向けたんだろうね」
「……あ、うん」
わかりやすく、杏子が困っている。「ねぇ、あんたの彼氏、絡みづらいんだけど!」。杏子の心の声が聞こえる。うん、知ってる。
国府田君は、自分の彼氏ながら、かなり変人だ。
でも、わたしにとっては、そこがかわいくてしょうがないんだけどね。
「国府田君。杏子、大切な写真を失くしちゃったんだって。助けてあげて」
わたしのその言葉に、彼の目がきらんと光った。
「なんと、それは一大事だ。
ぼくのかわいい千春さんの頼み、聞かないなんて男がすたる。
さぁ、話してみたまえよ。なんたって僕はこの高校イチの探偵だからね」
「ねぇ、あんたの彼氏、本当に絡みづらいんだけど!」。そんな杏子の心の叫びも聞こえてくる。……うん、ごめんね。でもかわいいから許してあげて。
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