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「やはりね。
今日の世界史は、やたらと資料集を使うなと思っていたんだ。
ノート、プリント、教科書、資料集、そして、杏子くんが使っている教科書ガイド。それらをあの授業の中で行ったり来たりしていたら、写真のようなぺらぺらのものは、間違えて挟んじゃってもおかしくない。推理通りだったね」
そう言って、かれは少しだけ首を振る。絶妙な自分への酔いしれ方だ。すごくいい。
「あ……、ありがとう。国府田君」
「どういたしまして。困っている人は放っておけないし、なにより、千春さんの頼みなら、絶対に解決しなくちゃね」
そう言って、国府田君はわたしに視線を送ってくる。
「国府田君、ありがとう」
「いーえぇ、おやすい御用さ」
そのとき、わたしの頭に電流が走った。
あ、やばい。
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