それでも僕はアンギラスが好き

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 と、こんな事を仕事中に考えていたので上司が僕を呼ぶ声が聞こえなかった。 「おい、岡田。岡田!」 「あ、すみません。何でしょう」 「何でしょうじゃない! 何だこの書類は、また日付が間違っているじゃないか!」 「ごめんなさい。今直します」 「あのなぁ。毎度毎度、同じような事を言わせるな。だいたいな…」  ああ、僕という奴はまたやらかし…と思ったその時だった。嫌なものが目に入った。いや正確には全然嫌なものではないのだけれど、今ここに来られるのが嫌なのだ。  隣の部署から何やら書類を持った侑花ちゃんが来るではないか。仕事が出来ない男というのは何というか大人の男としては最もかっこ悪いやつだ。  そして最悪なことに彼女は怒られている僕の横を通ってウチの部長に書類を渡しに行った。 「おい、岡田、人が話している時によそ見するな!」 「ああ、いや、すみません」  僕の勝手な思い込みかもしれないが彼女がこっちを見てクスリと笑った様な気がした。十分近く怒られてから席に戻ったが、これっぽっちもやる気が出ない。これではまた明日にも怒られるかもしれない。
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