そばに居られるならそれでいい

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懇親会、という名の飲み会で年齢を知り驚いた。落ち着いた雰囲気で話し方や言葉遣いも大人な彼女。良い意味でもう少し俺に近いものだと思っていたけど、9歳も年が違う。それに引け目を感じたのは事実。しかもバツイチ。 もっと良い相手がいる、そう思いながらも勉強会に参加する彼女を見かけるたびに目で追ってしまう。話しかけてしまう。来週が楽しみで、彼女に会えることにソワソワと落ち着かない自分がいて。 認めたくなかった。押し殺してしまいたかった。これはただ、真面目に取り組んでいるひとりの女性を応援する気持ちだと、テキトーな名前をつけて心に蓋をしていた。 だけど、彼女が他の男性と話している姿を見るたびに、笑いかけている様子を見るたびに、醜い心に蝕まれる。それが嫉妬だと気づいた時、抗うことをやめた。 勉強会の最終日、俺は彼女を呼び出して交際を申し込んだ。戸惑いを表した表情を見て結果を悟ったけど、彼女もなんとなく俺を気にしてくれていたらしい。 “そんなこと言ってもらえると思わなかった” どこか信じられないように呟く彼女に念押しで「大切にします」と言えば。 “はい、大切にします”と。 泣き笑いのような顔で交際を承諾してくれた。
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