エピローグ~side慎太郎

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「…楽しかったよ、三年間…」 特に会話がなくても俺たちは隣同士に立っていられる。自宅最寄り駅に近づいて、速度を落とし始めた車窓を眺めながら、若菜がそんなことを呟いた。 「…俺も」 少なくとも、友人関係を築きなおすことができた。 中学を卒業した時点とは、全然違う関係を作り上げることができたと思う。 俺たちの間にある信頼関係は、通う場所が離れたって揺らがない…と思う。多分…。 時々窓を開けてしゃべってさ、時々は外でも会ったり出かけたりして。 なんとなく親しい友人みたいなポジションを維持しながら、若菜の心がほどけていくのを気長に待つ。 俺の、消極的な長期計画だ。 自宅前まで一緒に歩いて、どちらからともなく右手を差し出した。 しっかり握手をして、笑顔を交わす。 「またね」 「おう」 そして俺たちは、それぞれの次のステージへ向かう。 完
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