1人が本棚に入れています
本棚に追加
「降って来たな~」
「ああ、少し早いが予報通りだ」
「大丈夫なのか、雨で薬流れちまわねえか?」 車庫で椅子に座って雨を眺める源三、歳郎、勇次郎の三人。
「大丈夫だ、除草剤と違って防除は土に残留するからな」 歳郎の話を聞く源三と勇次郎。
「防除は芝にダメージ残るから雨見越して撒いてるっていつも言ってるだろう」 雨を眺める歳郎。
「そうなのか?」
「お前何年俺とこの仕事してんだ」
「はっはっはっ!」 車庫で椅子に座って談笑する勇次郎、歳郎、源三の三人。
曽我森林公園(東敬園)、遊歩道のアスファルトはまだ出ているが園内は白く雪化粧している。
会社の軽トラックを遊歩道に停めて白樺を間伐している勇次郎と歳郎が居る。
「歳〜、源さん達も先週であがったんだ、俺等も今日で仕舞にしねえか〜?」 切り倒した白樺の枝を笹薮に運びながらグチる勇次郎。
「先の事考えたら少しでも切っておいた方が良い」 小口に切った白樺の幹を軽トラの荷台に運びながら応える歳郎。
「春にするべ〜」
「春なら重くて大変だって言ってんだろ、今なら木が水吸ってないから軽くて楽なんだ」 グチる勇次郎を諭す歳郎。
「雪積もったら出来なくなんだから今の内にやるぞ」 チェーンソーを手に取る歳郎。
「人使いの荒い相棒だ、源さんが辞めるのも無理ねえわ!」
「社長なら代わりの人材探して来い」 口喧嘩しながら作業する勇次郎と歳郎。
[ワ〜ン、ワ〜ン、ワ〜ン] チェーンソーの音が雪化粧した曽我森林公園に響く。
最初のコメントを投稿しよう!