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NISEKO Park Keepers
2038年 ニセコボールパーク、ドローンから見て、青空から緑に溢れる羊蹄山、その麓に作られたニセコボールパーク、収容人数2万人の野球場とサッカー場の他に練習用の球場とグランドや駐車場が緑の中に広がっている。
駐車場に駐められた無数の乗用車、入場口前の停留所ではタクシーやバスから客が降りて来る。
パークのメインストリートには日ガスのグッズ売り場のテントや食べ物の屋台、キッチンカー等が並びファンでごった返している。
野球場のスタンドに近藤勇次郎(体格が良く明るく豪放そうな男)と土方歳郎(生真面目そうな優男)と土方敬子(日ガスグッズを身に着け望遠カメラを構える美人)が座っている。
「まさか一軍呼んじまうとはな」 地方開催が実現した事に戸惑う歳郎。
「たまたまタイミングが良かっただけだ、ハッハッハ!」 豪快に笑う勇次郎。
「お〜!」 練習中の日ガス選手を激写する敬子。
日ガス✕楽天戦、ゲーム直前の盛り上がる球場から青空へ。
2028年 ニセコパークキーパーの事務所兼倉庫の後ろに大きく羊蹄山が見えている。
「勇さん、歳さん、申し訳ない…」 事務所で頭を下げる黒川源三(年配の従業員)と勇次郎と歳郎が重たい雰囲気で話をしている。
「源さん、機械乗ってくれるだけでも良いんだ、来年も来てくれねえか?」
「…」 なんとか引き止めようとする勇次郎と黙って見守る歳郎。
「さすがにもう体がコワくてワヤなんだ、モア踏んでも上がらなくなって来たしな…」 苦笑いで応える源三。
「…」 去って行く源三を見送る勇次郎と歳郎。
「まいったな」
「法面の草刈りとかしんどくなって来たとは言ってたが」 頭を抱える勇次郎と歳郎。
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