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社会人女性
明莉が帰って、3時間がたっていた。
そろそろ彼女がお店に来るだろう。
ランチがあと3つ残っている。
2人のために準備をしておこう。
そう思いランチの準備をしようとした瞬間、扉の上に掛けてあるベルがなった。
ずぶ濡れの薫が帰ってきた。
「お帰り、傘持ってけって行ったのに……薫」
「ごめん。優太」
薫は今、明莉も産まれ経済的にも僕のお店だけでは辛く、昔働いていた会社に頼んでまた、入社させてもらった。
でも、仕事が休みの日は一緒にお店を経営している。
「今からランチの準備をするから待ってて」
「………来たんだね、このお店に」
「うん…明莉も元気そうだったよ」
「そっか…良かった」
薫はほっとした表情をする。
ずっと心配だったのだろう、明莉が今どんな生活を送っていいたのかを。
その時、勢いよく扉が開いた。
「ママ!お帰りなさい」
「明莉…ただいま」
赤いランドセルを背負った、愛おしい娘が帰ってきた。
それと同時にランチの準備も終わった。
「ほらランチの準備が出来たよ」
明莉はランドセルを放り投げ、カウンター席に座る。
「わぁ…明莉、パパの作った料理全部大好き!」
「ありがとう。さぁ食べようか」
自分もキッチンから出てカウンター席に座る。
カウンター席は6つ。
右から、僕、明莉、薫という順番に座る。
僕たちは手を合わせ
「いただきます」
ランチを食べ始めた。
食べてるときは、いつも明莉が学校であった楽しい話を聞くのが、僕と薫の楽しみだ。
それからランチも食べ終わり、片付けが終わった。
そして、僕は言った。
「それじゃあ…行こっか」
明莉と薫の顔を見る。
とても幸せな笑顔。
幸せの世界が広がっている。
「天国へ…」
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