社会人女性

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──Long ago story 7── 明莉という愛おしい娘が産まれ、僕たちは幸せな日々を過ごしていた。 そして、明莉が小学生1年生になって初めての夏休みに、僕たちは海に行った。 「分かってたけど、人多いね…」 「どこか空いてないかな…」 「あっ…あそこ空いてるよ」 薫がテントを建てるところを見つけた。 少し、海から近いが大丈夫だろ。 僕は、テントを張り始めた。 「2人は着替えておいで、テントは張っとくから」 「手伝うよ?」 「大丈夫。明莉が海に入りたかってるぞ」 「ありがとう」 2人は手を繋ぎながら、更衣室へと向かった。 2人が帰ってくる前に、テントも張り終え僕はリラックスしていた。 すると、元気な声で僕を呼ぶ声が聞こえた。 「パパー」 明莉だ。 「パパ似合ってる?可愛い?」 「似合ってる。それに可愛いよ」 「ありがとう」 無邪気な笑顔ではしゃぐ明莉。 「早く海に入ろう!」 「最初2人で入りなよ。僕は荷物を見てるから」 そう言うと、薫は申し訳なさそうな顔をする。 「お父さんから入って良いよ。テントもさっき張ってくれたし。」 「大丈夫…ほら行っておいでよ」 「………もしかして泳げない?」 薫のその言葉に反応し、薫から目線を外した。 ずっと黙っていたのに… 「そっそうだよ…ほら行っておいで…僕は見てるから」 「はいはい、分かりました。じゃあ行ってくるね」 そう言って、2人は海に入っていた。 この時何故か僕は、嫌な予感がした。
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