悪魔である彼氏 ~アカラside~

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夜が開けて、次の日。 彼がお見舞いに来てくれた。 その姿を見て驚く。 彼はクロス・ピースの隊服を着ていた。 なんでもかんでも一人で背負い込むな、と言ってくれた。 そして。 「お前の意思は俺が継ぐ。……俺達で実現していく」 まだ何にも伝えてないのに、自分の愚行の理由をちゃんと彼は知ってくれていた。 理屈だけでなく困難がつきまとうだろうことも踏まえたうえで、『攻略しがいがあるほうが燃える』だなんて、いかにも彼らしい。 隊長もアオさんも、本当によくしてくださった。 失態を晒し、そもそも前線で任務遂行出来なくなった自分などに、戻ってこいというありがたいお言葉をくださった。 早く復帰したかった。 だからこそ、なんとか皆と意思伝達が出来るようにならなければいけない。 だとしたら。 ヒロを介して手話を覚える旨を隊長やアオさんに伝える。 勿論ヒロにも覚えて欲しかったのは本心だ。 彼らが帰ってから、一人病室での時間を手話の勉強に費やす。何かに熱中出来るのは、余計なことを考えずにすむのでありがたかった。 ―――左手の甲を上に向け、 右手の手刀で左手の甲を一度叩き、同時に頭を下げる――― 次の日にヒロがお見舞いに来てくれた時に、真っ先にそうやって見せた。
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