15人が本棚に入れています
本棚に追加
紗香
紗香とは、中学の同級生だった。
彼女と僕は、別々の高校に進んだ。
それでも、毎日ラインをして、
週に2日くらいは、会っていた。
「おはよう」のスタンプ。
「眠い」のスタンプ。
学校であった事とか、
お互い報告しあって、
「おやすみなさい」のスタンプ。
告白は、お互いしていない。
だけど、両想いだった。
と、僕は思っていた。
だから、僕は照れ臭くて、
「好きだ」
なんて、ラインでも言えなかった。
ハートのスタンプとか、
恥ずかしくて無理、無理。
紗香は、僕に、
「愛してる」 のキャラクタースタンプ、
を、送ってきていた。
5月半ばを、過ぎてから、僕は、
部活が、だんだん忙しくなってきた。
僕は、軽音楽部でボーカルを担当していた。
文化祭に向けて、練習していた。
紗香からは、相変わらず、
ラインが来ていた。
朝練や、
ギターを買う為に始めたバイト。
紗香に、会うことも、
少しずつ減って行った。
紗香もアルバイトをはじめた。
紗香のアルバイトは、
家の近くのファミレスだった。
僕のアルバイトは、
学校の近くのコンビニだった。
家の近くは、知り合いが来ると、
嫌だから、学校の近くに決めた。
紗香からラインが来ても、
すぐに返さなくなっていった。
最初のコメントを投稿しよう!